百田尚樹と憲法9条

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最初に、この本とは全く関係ない話をしようと思う。
百田尚樹の作品は、『永遠の0』の最後の数頁(残念ながら映画では上手く表現されていなかった部分だ)に泣かされてからかなりの冊数を読んでいる。
その中で特に記憶に鮮明なのが『風の中のマリア』だ。
この本の主人公はオオスズメバチ、正真正銘、ハチの世界を描いたお話だ。ハチに感情移入なんて、まさかね?と笑う方は、ぜひ一度百田ワールドの摩訶不思議を体験していただきたい。

脇道から本題に戻ろう。
このカエルの世界のお話は、ぜひその後に読んでいただきたい(気がする。なんでだか上手くは説明できないが)。読者層をぐっと低年齢まで広げたか⁈と思われるような文体に、先入観を持っていただきたくないからだ。
さらに言えば、この本を読む前と後では、憲法9条問題についての考え方が180度変わってしまうかもしれないからだ。事実、その内容から、店頭に並べない書店も数多くあるというから凄い。まるで扇動小説の扱い。

これが百田尚樹の魔法によるものなのか、日本という井の中の蛙であったかもしれない自分自身に、突如疑問符が降って湧いてきたからなのか、しっかりと考えなければいけないと思うからだ。

平和は、相手を抜きには語れない。相手をしっかりと見ようともせず現状維持を望むのは、もはや夢物語なのかもしれない。…と思わずにはいられない、実はとても重たいテーマの一冊。